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数学を鍛えよう

三角関数の問題①

今回は下の問題の解説である。

 

 

三角関数と軌跡の融合問題で、少し複雑である。しかしながら、タイトルは「三角関数」としたが、数Ⅰの三角比と数Ⅱの図形と方程式の知識だけで解くことができるので紹介する。

まずは、この先の解説で必要な知識を簡単に確認しておく。

なお、解説は数Ⅰの知識のみを使うため、弧度法を度数法に変えて説明する。

 

・三角比の定義

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・三角比の相互関係 \tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}

・円の接線の公式 

x^2+y^2=r^2上の点(a,b)における接線の式は、ax+by=r^2

 

これだけである。では、問題の答えを見ていこう。

まず、与式の分母に\tan\theta,\sin\thetaがある点に注意しよう。これにより、\tan\theta≠0,\sin\theta≠0だから、\theta≠0°,90°,180°,270°である。

 

y=-\frac{1}{\tan\theta}x +\frac{1}{\sin\theta}     ここで、\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}より、

y=-\frac{\cos\theta}{\sin\theta}x +\frac{1}{\sin\theta}     両辺に\sin\thetaをかけて

\sin\theta y=-\cos\theta x+1     式を整理して

\cos\theta x+\sin\theta y=1

 

ここからあることに気づくだろうか??

三角比の定義より、点(\cos\theta,\sin\theta)は、原点を中心とする半径1の円の点である。よって、円の接線の公式より、\cos\theta x+\sin\theta y=1は、原点を中心とする半径1の円の点(\cos\theta,\sin\theta)における接線である。

よって、求める領域は下のようになる。

言葉で表すと、

x^2+y^2≧1を満たす領域。

ただし、\theta≠0°,90°,180°,270°より、点(1,0)(-1,0)(0,1)(0,-1)は除く。

 

以上である。

三角比の相互関係を用いて、接線であることに気づくことができれば簡単な知識で解くことができる。

三角比の基礎を確認できる問題なのでぜひ復習してほしい。