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数学を鍛えよう

フェルマー数とその性質

フェルマー数について知っているだろうか。

フェルマー数とは、

F_n=2^{2^n} +1 (n=0,1,2,…)

で与えられる数である。

見ての通り、指数にさらに指数がついていて、非常に大きな割合で増加していくことは容易にわかる。名前の通り、数学者フェルマーはこの数と深くかかわり、様々な研究を行った。このフェルマー数の性質を見ていこう。

 

1.フェルマー素数

ここでは、F_n素数になる場合について考えてみよう。

まずは、具体的な値を求めると‥

F_0=2^{2^0}+1=3

F_1=2^{2^1}+1=5

F_2=2^{2^2}+1=17

F_3=2^{2^3}+1=257

F_4=2^{2^4}+1=65537 

!!!??もう気づいた人もいると思うが、上の数はすべて素数である。このように、フェルマー数が素数になる場合を特に、フェルマー素数という。このまま続ければ、すべて素数になるかもしれない!そう思った人もいるだろう。数百年も前、フェルマーも同じように考えていた。しかし、計算技術が向上してさらに大きな値が求まるようになると、

F_5=2^{2^5}+1=4294967297=641×6700417  合成数

このように、F_5素数でないことをあのオイラーが発見した。

そして、さらに計算が進められ、コンピューターが飛躍する現在、F_5からF_{32}までのすべての数が合成数であることが示されている。つまり、フェルマー素数は5つしか見つかっていないのだ。

たとえば、F_{20}は、素数でないことは示されているものの、1つも素因数が発見されていない。つまり、合成数であるのにもかかわらず、F_{20}を割り切る数は見つかっていないのだ。このように、フェルマー数は、膨大な数を生み出し、素因数分解の難しさを際立てている。フェルマー素数が無限にあるかはいまだ謎のままである。

 

2.正多角形の作図

ここでは、少し話を変えて作図について見ていこう。まずは、数学でいう作図について、簡単に確認しておく。

・使えるのは定規とコンパスのみ

・定規は、直線を延長すること、2点を通る直線を引くことのみできる

・初めに単位(長さ1)の直線があたえられている

数学の作図において、定規で長さを測ることはできないことだけ覚えておこう。

では、本題の正多角形の作図について。小学校や中学校では、正三角形の作図を学習する。また、90°の作図ができるから、正方形も当然作図できる。では、ほかの正多角形はどうだろう。ここでは特に、素数の数だけ角をもつ正多角形について考えよう。例えば、正七角形や正十一角形。作図できると思うだろうか?ここで、驚くべき事実がある。

pがフェルマー素数ならば、正p角形は作図可能である。

どうだろうか??作図にまでもフェルマー素数がかかわっている。理論上では、正十七角形や、正六万五千五百三十七角形も作図可能である。ただし、実際に作図するとなると、非常に大変で、手作業ではほぼ不可能である。しかしながら、この事実が数学的に示されたことに大きな意義があり、フェルマー数にさらなる広がりを与えてくれた。

 

 

最後に振り返りながら問題を解いておこう。

 

そして、作図についても少しだけ。

Q 次のうち、作図できる数をすべて選べ。

1.  \sqrt{5}

2.  \sqrt{\sqrt{5}}

3.  \frac{1+\sqrt{5}}{2}

4.  \sqrt{\pi}